はじめよう固体の科学

電池、磁石、半導体など固体にまつわる話をします

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磁化率の測定データをどのように解析・解釈すればよいか

磁気測定から得られる非常に重要なパラメータとして磁化率(帯磁率)があります.磁化率の温度依存性は様々ですが、それぞれをどのように見分ければよいでしょうか.

不動態:その生成の仕組みと活用法

不動態とはなんでしょうか.「通常の金属が、当然示すはずである活性を失って、一見、貴金属(容易に化学的変化を受けない金属)であるかのように挙動する状態」とされ、不働態と呼ばれることもあります.

ナトリウムイオン電池:リチウムからナトリウムの時代へ

ナトリウムは周期表でリチウムのひとつ下に位置することからリチウムと性質が似通っており、一方でリチウムとは比較にならないほど安価です.リチウムをナトリウムに変えることができれば、資源問題から解放され電池を非常に安価に製造できる可能性がありま…

リチウム空気電池:リチウムイオン電池を超えうる究極の電池

もしリチウム空気電池が実現すれば、空気中に無尽蔵に存在する酸素を利用でき、軽量・安価・安全にも関わらずリチウムイオン電池よりも高いエネルギー密度を有する「究極の電池」となりえます.

マグネタイト(Fe3O4, 磁鉄鉱):最古の磁石の結晶構造と機能

人類にはじめて見出されたとされる磁石がマグネタイト(磁鉄鉱)です.マグネタイトはFe3O4 の組成を持ちます.組成中に鉄を豊富に含むことから、金属鉄の原料としても知られます.

コランダム構造:ルビーとサファイアの結晶構造

コランダムとは酸化アルミニウム(アルミナ)の結晶であり、Al2O3の組成を持ちます.コランダム構造は、ルビーやサファイアの持つ結晶構造として非常に有名です.

カチオンとアニオン:イオンってなんだろう

中性の原子において、電子が増減することで原子核と電子の電荷のバランスが崩れて帯電し、イオンとなります.陽イオンと陰イオンは互いに逆の電荷を持つため、クーロン力によって互いに引き付け合います.

コバルト酸リチウム(LiCoO2):リチウムイオン電池の代表的な正極材料

LiCoO2が特に優れている点は、高いLi+伝導度および電子伝導度、高いエネルギー密度、優れた可逆的な充放電特性を示すことです.発見から30年以上が経過してなおLiCoO2は携帯用バッテリーの正極材料として使われ続けています.

Prof. R J Cavaの経歴を振り返る(3)

物性物理・物質科学・固体化学分野で知らない人のいない超有名人Robert Joseph Cava先生.ついにベル研究所からプリンストン大学へ移り、現在に至るまで存続する研究室の基礎が築かれました.新しい研究室ではどのような研究を展開するのでしょうか.

Prof. R J Cavaの経歴を振り返る(2)

物性物理・物質科学・固体化学分野で知らない人はいない超大御所Robert Joseph Cava先生.物性物理には転換点となる出来事がいくつかありました.Cava先生は新しい潮流に迅速に対応し、各局面ごとに素晴らしい研究を展開していきます.

Prof. R J Cavaの経歴を振り返る(1)

現在のCava先生の研究分野は超伝導、トポロジカル材料、磁気抵抗、スピン液体、二次元磁性体、ハイエントロピー合金と非常に多岐にわたります.では、その源流は何なのでしょうか.

ボルン・ハーバーサイクルと格子エネルギー:結晶の安定性を評価する

イオン結合性の物質を扱う際、その物質がどの程度安定であるかの指標が必要になる場合があります.この「イオン結合性の物質の安定性」を見積もる指標である格子エネルギーを算出する際に使用されるのがボルン・ハーバーサイクルです.