ところが、近年の材料探索の進展にともなって、液体と同等あるいはそれ以上のイオン伝導度を示す固体物質が開発されてきました.中でもリチウムイオン電池に用いるリチウムイオン伝導体の進化は著しく、報告された物質の種類も多岐にわたります.しかし、全…
電池の電極材料の容量には限界があります.この限界値、理論容量を超えるエネルギーを蓄えることはできません.無論、必ずしも理論値に達することができるわけではありませんが、限界を知っておくことは材料設計の上で役立ちます.
鉄とは異なり、銅は錆びにくい金属です.それでも、屋外に出しておけば酸化し、錆(酸化銅)ができることがあります.銅が酸化して形成された酸化銅は、元の銅とは色も性質も全く異なります.
インターカレーションは、物質の結晶構造に存在する「すき間」にイオンや分子を入れ込むような反応を指します.元の物質 の結晶学的特徴や材料特性を保ったまま、新しい特性を加えることが可能です.
同じ組成を持ちながら異なる結晶構造を示す物質を総称して多形と呼びます.ほとんどの多形は互いによく似た見た目ですが、中には似ても似つかないものも存在します.
今回は、飽和磁束密度の単位として使われる emu/g, emu/cc, T などの単位の互いの変換方法を見ていきます.
金は、他の金属では再現できない独特の輝きを持ちます.古来より王侯貴族を魅了してやまない黄金色はどのようにして生まれるのでしょうか.
光と物質の相互作用には直線的(一次関数的)なものだけでなく、二次関数的、三次関数的な高次のものが含まれることが知られていました.高次の効果を利用することで波長の異なる光を取り出すことができます.
錆だけが酸化鉄ではありません.鉄は磁石としての性質を持ち、その酸化物も磁石として振舞うことがあります.最古の磁石として有名なマグネタイトは、永久磁石だけでなく触媒材料としても活用されます.
化学誌・材料科学誌について紹介します.
総合誌および物理学誌についての紹介です.
LDHはアニオンを容易に挿入、交換、脱離することができます.電極材料、光触媒、吸収剤、生体材料など用途は様々であり、学術的・産業的に数々の応用がされてきました.
「硬い」ことは、それ自体に大きな意味を持ちます.人工的に数千万気圧級の圧力を実現しようとしたら、その環境に耐えられる硬さの材料が必要です.
原子と原子がつながることは自明ではありません.原子同士に働く引力による原子間のつながりを説明するためにいくつかのメカニズムが提唱・実証されており、それらは化学結合と総称されます.
様々な分析手法のうち、X線を用いて分析を行う手法をまとめました.XRD、XAS、XPS...様々な手法にはどのような違いがありますが、どのように使い分ければ良いでしょうか.
結晶構造には、その代表的な物質名や鉱物名から名前がつけられます.例えば、塩化ナトリウム型構造やペロブスカイト型構造は固体化学を代表する非常に有名な結晶構造です.新しい物質が発見されるにしたがって新しい結晶構造は増えていきますが、多くの物質…
テルミット反応は、金属と金属酸化物の混合物(テルミット、サーマイト) を用いて、時に爆発的な発光と発熱を生みながら酸化還元を起こす化学反応です.
水素発生反応(HER)こそ直接的に水素を製造することが可能な反応です.水素発生の反応効率を高めるために、カソードで用いる電極材料の研究が長年に渡り進展してきました.
今回のテーマは、水の電気分解反応の片割れである酸素発生反応です.最終的に欲しいものは水素であり、酸素は空気中からいくらでも取ってこれます.しかし、酸化反応と還元反応は必ず同時に起こるため、水素発生反応の効率を高めるには酸素発生反応も効率よ…
電池の原理と概要 イオン化傾向と標準電極電位 アノードとカソード、正極と負極、陽極と陰極の違い 様々な電池とその原理 ボルタ電池 ダニエル電池 鉛蓄電池 ルクランシェ電池、マンガン電池、アルカリ電池 ニッケルカドミウム電池 ニッケル水素電池 亜鉛空…
原子がバラバラに固まり、規則的なパターンを示さないことがあります.液体のように原子の位置が揺らいでいるのではなく、その位置のパターンに規則性が無いのです.
結晶系に単位格子を加味して結晶構造を規定したのがブラべー格子であり、全ての結晶構造の基本となります.ここで結晶構造を規定するために用いた、繰り返し構造の軸長と軸角をまとめて格子定数を呼びます.
同じ種類の元素であっても同じものであるとは限りません.炭素原子そのものは全世界で共通ですが、炭素原子のみからなる単体であっても、互いに見た目も化学結合の様式も、構造も全く異なるものがあります.これを同素体と呼びます.
ペロブスカイトは抜群の光特性を示します.さらに、作製が容易なペロブスカイトの特徴と相まって、様々な応用先が見つかることは必然でした.
ベント則を利用して、実際の分子の形をどのように理解可能かを見ていきます.
VSEPR則は、原子軌道や対称性を考慮しておらず、孤立電子対と結合電子対の違いを説明することができません.これらの問題点を解消するため、代わって発達した理論が今回紹介するベント則です.
アカデミアでの就職と民間の転職活動は、流れこそ同じものの面接(口頭諮問)で聞かれる内容には大きな違いがあるように思います.
民間の転職活動もアカデミアの転職活動もやることはあまり変わりません.転職活動の各ステップで具体的にどのようなことを行うかを見ていきます
公募している企業とポジションを見つけて応募するという点ではアカデミアの転職と変わりませんが、民間での転職では転職エージェントという強力な武器を使用できます.
民間への転職ってどうやればいいの?ここでは私個人の体験から得た脱アカデミアの方法を全4回にわたって記述していきます.