はじめよう固体の科学

電池、磁石、半導体など固体にまつわる話をします

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結晶構造

ルチル構造:「赤」を意味する結晶構造

ルチルとは二酸化チタン(TiO2)からなる酸化物鉱物の一種です.ルチルの結晶構造をルチル構造と呼び、AB2の組成を持つ二元系物質でよく見られます.

三角格子、カゴメ格子、ハニカム格子.... :様々な磁気格子と磁気フラストレーション

世の中には、正方格子や三角格子だけでなく、多種多様な格子が考案され、現実の物質で実現しています.単純な磁気秩序だけではなく,時として量子スピン液体、スピンアイス、スピングラスなど時にエキゾチックな磁気物性の舞台となることが知られています.…

ポーリングの規則:結晶構造が成り立つためのルールとその現実

イオン結合性の物質において、どのような結晶構造が実現するか、あるいは実現しないかを明示した5つの経験則をポーリングの原理と呼びます.ポーリングの原理では、結晶構造中でカチオン(アニオン)がどのような局所構造にあるかを規定します.

スピネル構造:複雑な構造と多様な物性

スピネルとは、マグネシウム(Mg)とアルミニウム(Al)からなる酸化物の天然鉱物であり、MgAl2O4の組成で表されます.スピネルの結晶構造をスピネル構造とよび、AB2O4の組成を持つ三元系物質でよく見られます.酸化物だけではなく、硫化物や窒化物でもスピ…

閃亜鉛鉱型構造とウルツ鉱型構造:半導体を支える結晶構造

閃亜鉛鉱型構造とウルツ鉱型構造は、ABの組成で表される二元系物質の多くで見られる結晶構造であり、互いによく似た構造です.どちらも半導体材料でよく見られる構造であり、知らず知らずのうちにどちらかの構造を持つ材料を日常的に使用しているはずです.

蛍石型構造:イオン伝導がよく見られる基本的な結晶構造

蛍石型構造はAB2 の組成で表される結晶構造であり、多くの物質において見られます.イオン伝導を示す物質の多さが目立ちます.

配位構造と連結:結晶構造ができるまで

どんな複雑な結晶構造でも、一つ一つのパーツを見ればシンプルな形をしていることが多いです.多面体とその連結を考えることで、大多数の結晶構造も理解できます.

ダイヤモンド構造とダイヤモンド:世界一の硬さの秘密

ダイヤモンドは炭素の同素体であり、炭素の共有結合による強固な結合ネットワークを持ちます.ダイヤモンドは地球上で生成される物質の中で最も硬く、大きな熱伝導率と屈折率を誇ります.これらの際立った性質は工学分野で重宝されています.

塩化セシウム型構造:立方体+立方体

塩化セシウム(CsCl)型構造は、ABの組成で表される二元系物質の多くに見られる結晶構造です.一見、体心立方構造に見えますがそうではありません.

ペロブスカイト構造:機能の宝庫

ペロブスカイトとは、CaTiO3 の組成を持つ鉱物を指します.ペロブスカイトの結晶構造を指してペロブスカイト構造と呼びます.強誘電体、高温超伝導、巨大磁気抵抗、イオン伝導、負の熱膨張など、ペロブスカイト酸化物は「機能の宝庫」と言っても良いほどの多…

ヒ化ニッケル型構造:塩化ナトリウム型構造の親戚

ヒ化ニッケル(NiAs)型構造は、AB の組成で表される二元系物質の多くで見られる結晶構造です.あまり馴染みのない人も多いと思いますが、有名な塩化ナトリウム型構造との関連が深い重要な構造です.

塩化ナトリウム型構造:最も基本的な二元系構造

更新 2024-2-23 塩化ナトリウム型構造(岩塩型構造、NaCl型構造、NaCl-type structure、rock salt structure) 塩化ナトリウム型構造は、の組成で表される二元系物質の多くに見られる結晶構造であり、三次元空間に原子をチェッカーボード状に並べたような配…

最密充填構造:最も単純な原子の敷き詰め方

体育館の床をバスケットボールで埋め尽くすことを考えます.すなわち、球体を二次元平面に敷き詰めることをイメージします.球体をどのように並べれば、空間を埋め尽くすことができるでしょうか.