はじめよう固体の科学

電池、磁石、半導体など固体にまつわる話をします

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原子・分子構造

インターカレーション:物質に新しい機能を加える反応

インターカレーションは、物質の結晶構造に存在する「すき間」にイオンや分子を入れ込むような反応を指します.元の物質 の結晶学的特徴や材料特性を保ったまま、新しい特性を加えることが可能です.

共有結合、イオン結合、金属結合…:物質を作る様々な化学結合

原子と原子がつながることは自明ではありません.原子同士に働く引力による原子間のつながりを説明するためにいくつかのメカニズムが提唱・実証されており、それらは化学結合と総称されます.

同素体:実は存在しなくても問題ない概念?

同じ種類の元素であっても同じものであるとは限りません.炭素原子そのものは全世界で共通ですが、炭素原子のみからなる単体であっても、互いに見た目も化学結合の様式も、構造も全く異なるものがあります.これを同素体と呼びます.

ベント則:VSEPR則の限界を超えて分子の形を予測する(2)

ベント則を利用して、実際の分子の形をどのように理解可能かを見ていきます.

ベント則:VSEPR則の限界を超えて分子の形を予測する(1)

VSEPR則は、原子軌道や対称性を考慮しておらず、孤立電子対と結合電子対の違いを説明することができません.これらの問題点を解消するため、代わって発達した理論が今回紹介するベント則です.

ランタノイドとアクチノイド:周期表の縁の下の力持ち

周期表の最下部に佇む謎の元素たち.ランタノイドとアクチノイドと書かれてはいますが、それ以上の説明はなく、そのまま化学の授業は終わります.従来の化学教育では見過ごされがちですが、これらの元素には他の元素に負けないくらい有用で興味深い性質を示…

アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン:周期表の族の様々な呼び名

「アルカリ金属」「アルカリ土類金属」「ハロゲン」など、特定の族を示す呼び名は多くあり、同一の族に属する元素群はいずれも似たような性質を示します.

カチオンとアニオン:イオンってなんだろう

中性の原子において、電子が増減することで原子核と電子の電荷のバランスが崩れて帯電し、イオンとなります.陽イオンと陰イオンは互いに逆の電荷を持つため、クーロン力によって互いに引き付け合います.

ランタノイド収縮:その影響はランタノイドを超えて現れる

ランタノイド収縮とはランタノイドを小さくするだけでなく、ランタノイドに続く元素の原子半径まで縮めてしまうほどの強い影響力を持ちます.

遮蔽効果とスレーターの規則:電子が互いに影響を及ぼすとき

ある電子に働く原子核からのクーロン力が他の電子の存在によって弱められている状態を、遮蔽効果が働いていると表現します.遮蔽効果は、電子が複数あることによって起こる現象で、原子や分子の基礎物性や反応性の違いを非常にうまく説明することが可能です.

貴ガスがイオンになる?:驚きの価数を示す物質たち

元素によってとりうる価数は異なり、大多数の化合物中では元素の価数は特定の値になります.しかし、特殊な状況を作り出せば元素の特性も大きく変わります.環境を整えれば、アルカリ金属だってアニオンになるし、貴ガスだってイオンを形成するのです.

HSAB則:化学における硬さと軟らかさ

化学に登場する酸と塩基、特にルイス酸・ルイス塩基には硬さの概念があります.酸と塩基の親和性の傾向を明らかにし、固体の結晶構造を形作るのに大きな役割を担います.

ヒドリド(Hydride):水素の陰イオンとその高い反応性

水素は、最もありふれた元素でありながら非常に特殊な元素でもあり、正と負のいずれの電荷の状態をとることができます.陰イオン(アニオン)となった水素をヒドリド(Hydride)と呼び、強い還元力、強い塩基性、高い圧縮性を示します.

孤立電子対(非共有電子対):直接結合しなくても、物質を変える

孤立電子対(非共有電子対)は、目には見えませんが分子の形状や水素結合の形成を通じてその存在をアピールしてきます.孤立電子対の役割は構造を歪ませるだけではなく、様々な物性に顔を出します.

イオン化エネルギーと電子親和力:そもそもどうやって測定するの?

イオン化エネルギーと電子親和力はは決して教科書の中だけの存在ではなく、物質の性質を予想するなど実用的な面を持った極めて基礎的なパラメータです.

ヤーン・テラー効果:電子数と配位の歪み

金属の配位構造において、金属イオンがある特定の数のd電子を持つ場合にのみ特異的に多面体が歪む場合があります.このような現象の一つがヤーン・テラー効果(Jahn–Teller effect)です.

結晶場理論と配位子場理論

d電子は金属イオンの種類によって数が異なり、全部で5つの軌道に収納されます.配位子のない状態では5つの軌道は互いにエネルギーが等しい(縮退している)ですが、それぞれ軌道の広がる方向が異なるため、配位子があるとエネルギーにズレが生じて状態が…

金の陰イオン:金属だって負の電荷をまとう

更新 2024-2-23 金(Gold)とその歴史 黄金は何千年もの間、人類を魅了してきました.古代オリエント,古代中国,古代アメリカなど,地域や文明は違えど,黄金は非常に価値のある物品として,ときに王族や貴族の権力の象徴として扱われてきました.金をめぐ…

VSEPR則(原子価殻電子対反発則):分子の形を決めるものは何か

世の中には様々な分子があり、それぞれ形状が異なります.価電子の反発を考慮することで分子の形状を予測するモデルが 原子価殻電子対反発モデル(VSEPR則)です.

ケテラーの三角形:その結合、なんの結合?

電気陰性度とは「原子が電子を引き付ける強さの指標」のことでした.電気陰性度を用いて、結合のイオン結合性や共有結合性を視覚的に導出することが可能なのがケテラーの三角形です.

電気陰性度:原子が電子を引っ張る力

「電気陰性度」は原子が電子を引き付ける強さの指標です.電気陰性度を比較することにより、物質の結合性や性質を予測することが可能です.電気陰性度はPaulingによって導入され、その後様々な定義のものが導入されています.