はじめよう固体の科学

電池、磁石、半導体など固体にまつわる話をします

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物質

リンの同素体:自然発火物から難燃剤まで

外殻に5つの価電子を持つために多様な共有結合様式を取ることのできるリンは、単体の中でも原子の配列や結合様式の異なる複数の姿があります.すなわち、リンには同素体(allotrope)が複数存在します.

【B・元素#5] ホウ素の科学と産業を見ていく

ホウ素(B、原子番号5)は金属とも非金属とも異なる「準金属(メタロイド)」の一種です.

【Be・元素#4] ベリリウムの科学と産業を見ていく

ベリリウムは、軽いにもかかわらず剛性と弾性率が高く、熱伝導性にも優れるという無二の性質を持ちます.

【Li・元素#3】 リチウムの科学と産業を見ていく

リチウムは最も軽い金属元素の一つで、電気化学的なエネルギーが大きいため電池材料としての利用が主です.

【He・元素#2】 ヘリウムの科学と産業を見ていく

ヘリウムは常温で無色、無臭、無味、無毒な気体です.希ガスに属し、不燃性で化学的な反応性に乏しく安定という特徴があります.

実験材料にも影響?アンチモン価格が急騰中

長い間横ばいに推移していたアンチモン価格が、ここに来て爆発的に上昇しています.5年で8倍、1年で4倍という破格の急騰で、高止まりする気配もなくロケット噴射の様相は続いています.

【H・元素#1】 水素の科学と産業を見ていく

水素は宇宙で最も軽い元素で、常温常圧では無色・無臭の気体です.CO₂を排出することなく多量のエネルギーを取り出せるので、次世代エネルギー源として非常に注目されています.

窒素とその新しい同素体

化学的に安定な窒素同素体の合成に関する報告がNature 誌に掲載されました.これまでの常識を覆した窒素同素体はどのような姿をしているのでしょう.

バイヤー法 :きれいなアルミナの入手法

ホール・エルー法の普及には、純粋なアルミナを取り出す手法の確立が大きな役割を果たしており、その手法こそがバイヤー法です.

ホール・エルー法:高価なアルミニウムを安価な金属に変えた

ホール・エルー法は、電気の力でアルミナから純粋なアルミニウムを作り出します.100年以上前に編み出された手法でありながら、形を変えながら現在でもアルミニウムの精錬方法として使われ続けています.

炭素の同素体:炭素はつながるどこまでも

フラーレンの発見を皮切りに、カーボンナノチューブ、グラフェン、そして最近ではこれらの構造を組み合わせたような新たな同素体が報告されています.

単一金属触媒(Single-Atom Catalysts):たどりついた最小の触媒

固体触媒の表面積を大きくするほど活性は向上します.理想的には、原子が一つ一つ裸の状態でいてくれれば、あらゆる方向に表面が露出しており、全ての方向を触媒として用いることが可能になります.

電気エネルギー貯蔵のための誘電体セラミックス

キャパシタ(コンデンサ)は、化学エネルギーを介さず直接電気エネルギーを貯蔵可能なデバイスです.それゆえ瞬時に充電・放電が可能であり、大きな出力密度を示します.

マルチフェロイクス:磁気で電気を、電気で磁気を操る

マルチフェロイックを示す物質は、例えば磁場をかけることで電気分極を制御し、あるいは電場をかけることで磁化を制御することが可能です.

水素エネルギーの未来は?

無毒でありながらエネルギー密度の大きな水素への注目は大きいですが、果たして水素社会への変革はどこまで現実的なのでしょうか.

酸化マンガン:二酸化マンガン以外もあるよ

マンガンと酸素のみから構成される物質が酸化マンガンです.二酸化マンガンが特に有名ですが、他にも様々な種類があり、マンガン元素の性質に由来するユニークな性質を示します.

金属の腐食と錆形成のしくみ

金属が環境中の物質との化学反応によって変質あるいは消耗し、本来の機能を失ってしまう現象を腐食と呼びます.金属はいつしか酸化され、酸化物や水酸化物へと姿を変えます.

混成軌道:その概念への批判と反論

混成軌道の概念は大学化学の初等過程で導入され、化学の学術領域で当たり前のように使われます.しかし、その存在を全ての化学者が受け入れてきたわけではありません.

過酸化物と亜酸化物:酸素が多すぎる物質と少なすぎる物質

過酸化物は、酸素が通常よりも多く含まれている化合物で、その強力な酸化力が特徴です.対照的に、亜酸化物は酸素が通常よりも少ない状態で存在する化合物です.

PbO型構造:鉄系超伝導に向けた最もシンプルな構造

pbO型構造は、現在では最もシンプルな鉄系超伝導体の結晶構造として知られます.

液体の金属元素としてのガリウム

ガリウムは、毒性が少なく、反応性も激しくなく安全に使用することができる唯一の液体金属元素です.

エレクトライド(電子化物):電子が「陰イオン」として存在する物質

電子が原子から離れて存在している物質、それがエレクトライド(電子化物)です.電子が原子のいないサイトを単独で占め、あたかも負の電荷を持つ陰イオンであるかのように振る舞います.

チタン酸ジルコン酸鉛(PZT):圧電セラミックスの覇者

圧電効果を示す材料の中で、最強クラスのシェアを誇るのがチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)です.優れた圧電特性と良好な温度特性を示すことから、圧電セラミックスの覇者として、有害な鉛を含むにも関わらず、現在も使用され続けています.

ジルコニア(ZrO2)とハフニア(HfO2):古典的かつ最先端の材料

ジルコニアとハフニアは近年注目を集めている誘電材料です.薄膜状態での強誘電性が発見され、強誘電メモリの主役としてスターダムにのし上がろうとしています.

なぜ酸素の燃焼はいつも発熱反応なのか

なぜ酸素の燃焼によってエネルギーを取り出すことができるのでしょうか.火はなぜ熱いのでしょうか.化学的に言い換えるのであれば、なぜ酸素の燃焼は常に発熱反応なのでしょうか.

磁気記録材料:磁石を用いて情報を記憶する

磁気記録媒体では、磁石のS極・N極を0・1に対応させることで情報を記録します.磁気記録媒体として代表的なものは磁気テープとハードディスクドライブ(HDD)です.

粘土鉱物:ありふれた元素から無限の機能

を含むと軟らかくなり乾かすと固まる粘土は、造形材料として一級の性質を持ちます.その利用は古代から家屋や土器、粘土板の材料として始まり、「粘土には1000の利用法がある」とまで言われるようになりました.

酸化物、窒化物、水酸化物、水素化物、ハロゲン化物: イオン性物質の数々

イオン結合性の物質は、構成する陰イオンの種類によって分類されます.酸化物イオンを含む酸化物、フッ化物イオンを含むフッ化物、水素化物イオンを含む水素化物など.これらはどのような特徴を持つでしょうか.

単結晶と多結晶:それぞれの秩序の形

結晶の配列方法や結晶粒の特性は、材料の物理的および化学的特性に大きな影響を与えます.結晶の形態の中でも「単結晶」と「多結晶」は、それぞれ異なる特性と応用分野を持っています.

宝石の結晶構造を見てみよう

一般に特別なものとして扱われる宝石ですが、その正体は鉱物であり結晶です.マクロな大きさの宝石は美しいですが、ミクロな大きさの結晶もなかなかきれいな構造をしています.