チタン酸ストロンチウム(Strontium titanate, )
チタン酸ストロンチウム()はペロブスカイト構造を有する酸化物材料です.非磁性、常誘電体、不導体、白色のセラミックであり、さほど特徴的な物質ではないように見えます.をに置換したが巨大な誘電率を示し、誘電材料の代表選手として大活躍しているのと比べると、 は地味に思えます.
しかしながら、基礎科学分野では豹変します.をほんの少しいじるだけで多種多様摩訶不思議の物性を示すようになり、NatureやScience といったトップ誌を彩ってきました.あらゆる分野を網羅して千差万別な性質が報告されており、私の知る限り、これほど多くの分野を賑わせる物質は他にありません.
誘電体からはじまり、超伝導体、熱電材料、触媒、イオン伝導体、半導体、発光材料分野で姿を見かけ、他の物質を形成するための基板としても抜群の有用性を誇ります.また、上に成長させた他の物質との相互作用により、界面もまた新たな物性の舞台となります.さらに、様々な革新的な測定の最初のターゲットとなることも多く、最新の測定手法の被験者としての顔も見せます.
今回は、一見の地味さからは想像もつかないほど盛りだくさんな の姿を見ていきます.
- チタン酸ストロンチウム(Strontium titanate, )
- チタン酸ストロンチウムの基礎物性
- 誘電体としてのチタン酸ストロンチウム
- 超伝導体としてのチタン酸ストロンチウム
- 熱電材料としてのチタン酸ストロンチウム
- イオン伝導体としてのチタン酸ストロンチウム
- 磁性材料としてのチタン酸ストロンチウム
- 光触媒としてのチタン酸ストロンチウム
- 光学材料としてのチタン酸ストロンチウム
- 電子材料としてのチタン酸ストロンチウム
- 薄膜基板としてのチタン酸ストロンチウム
- 新奇な測定・合成手法の被験者としてのチタン酸ストロンチウム
- まとめ
- 参考文献
チタン酸ストロンチウムの基礎物性
まずは、の基本的な性質から始めます.見た目は白色のセラミックスです.基本的には人工的に合成されますが、天然鉱物(タウソナイト)が1982年に発見されました.
の結晶構造はペロブスカイト構造に属し、常温では歪みのないきれいな立方晶系です.105 K以下の低温では正方晶へと構造が変化することが知られています.イオン結晶であり、電荷バランスはと表すことができます.にもにも価電子がないので、は非磁性です.
は、定義上は半導体に属しますが、バンドギャップが大きすぎて常温で電気は流れません().バンドギャップは間接遷移のものと直接遷移のものがあり、前者は 3.25 eV、後者は 3.75 eV です.可視光を吸収しないので白色です.バンドギャップは (3.2 eV) と同程度です.価電子バンドは酸素軌道、伝導バンドは軌道から主に構成されています.
強誘電体のとは異なり、は常誘電体です.すなわち、電場をかけても電気は流れませんし、電場を取り去ると分極は消えてしまいます.誘電率はと、一般的な誘電体よりははるかに大きいですが、には及びません().温度を下げるにしたがって誘電率は上昇しますが、最低温まで常誘電体のままです.
以上のように、基本的な物性に特筆するものは無いように思えます.しかしながら、ほんの少しの加工ではその姿を変えてしまいます.以下で見ていく内容には、とんでもない数の Nature 誌と Science 誌の報告を参考文献として含みます.[基礎物性]
誘電体としてのチタン酸ストロンチウム
常誘電体、強誘電体、圧電体、焦電体…:様々な誘電体とその特徴 - はじめよう固体の科学
は最低温まで常誘電体のままです.これは、兄弟分の が強誘電性を示すことを考えると、やや奇妙に思えます.両者にはどのような違いがあるのでしょうか.
の誘電率は温度を下げるにしたがって上昇しますが、ある温度以下ではそれより上昇せずに一定の値に留まることが知られています.この誘電率の異常な振る舞いは、 の強誘電状態への転移が、格子振動の量子力学的なゼロ点振動によって妨害されているためであると解釈されます.つまり. は強誘電体に非常に近い位置にあるにもかかわらず、それを妨げる効果が存在しているのです.このような物質を総称して量子常誘電体と呼びます.
このような効果によってはとは異なり強誘電性を示さないわけですが、裏を返せばちょっとした効果によって強誘電体へと変身させること ができるのではないかと思うわけです.実際、様々な手法で の誘電的性質を制御できることが明らかになりました.
高温超伝導体の発見でおなじみのBednorz博士とMüller博士は、サイトにを置換することで強誘電性を実現しました.外部電界によってを圧電体へと転身させ、巨大な圧電応答を起こした報告もあります.また、の酸素を同位体置換 () することでも強誘電性が実現してい ます.
こうした研究では強誘電を示すのは極低温に限られていましたが、その状況を覆したのが薄膜の合成による歪み(ストレイン)効果です.薄膜とは、ある基板材料の上に結晶を薄く成長させることで得られる材料です.この際、基板として何らかの結晶物質を用いるわけですから、成長させる物質と基板の大きさがかみ合っていないと、成長させた物質の格子に歪みが生じてしまいます.一方で、逆にわざと大きさの異なる基板を用いることで無理やり歪みのある物質を成長させ、物性に影響を与えることができます.
この基板によるストレインをに適用したところ、なんと常温での強誘電性が実現してしまいました.のように大きな格子を持つ基板による「広げる」効果が の強誘電性発現に重要なようです.Natureでのこの報告の被引用数は2400超と、間違いなく誘電体の研究にとっても薄膜の研究にとっても金字塔です.
その後も、結晶シリコンの直上に強誘電を成長させた報告や、不均一な歪みやテラヘルツ波によって強誘電性を実現した報告が続きます.中には、 薄膜を十分薄くすることでストレイン無しでも室温での強誘電を実現させた報告までありました.の誘電性に関する興味はまだまだ尽きず、請電率を下げる「デッド層」 や負キャパシタンス、スピン電変換に関する研究などハイインパクトな報告が現代まで続いています.[誘電体]
超伝導体としてのチタン酸ストロンチウム
は不導体ですが、適当な元素置換によって金属化、さらには超伝導体()となります.
における超伝導が報告されたのはBCS理論の提唱された7年後(1964年)のことであり、電子キャリア濃度が低いにも関わらず超伝導体になるのが不思議ということで実験的にも理論的にも大いに注目されました.超伝導メカニズムに関する合意が得られているかは定かではありませんが、前述の量子常誘電性との関連も示唆されているようです.
最初期の報告では の酸素を一部欠損させることで超伝導体とさせていましたが、その後、様々な手法で超伝導を発現させることができるようになりました.
中でも興味深いのは、電界効果によって電子キャリアを注入し、電子密度をあげることで無理やり金属化、超伝導化をさせる手法です.この手法は汎用性が高く、以外にも種々の系で不導体を超伝導化させることに成功しています.その他、またしても薄膜由来のストレインをかけることで伝導転移温度が向上することが実証されています.[超伝導]
熱電材料としてのチタン酸ストロンチウム
熱電効果:排熱を電気エネルギーに変える - はじめよう固体の科学
余分な熱を有用な電気エネルギーに変換することのできる熱電材料は、次世代のクリーンエネルギーとして期待されています.熱電材料として有力なのはやなど重元素を含んだものが主であり、酸化物はほとんど見かけません.
酸化物は無害で安定なことが特徴ですが、熱伝導率が大きいため熱電材料には適しません.例外的に高い熱電特性を示す酸化物としてコバルト酸化物がありますが、これは磁性に関わる特殊な効果に基づきます.は重元素を含まず、非磁性であるにも関わらず、なぜか熱電材料の世界に顔を見せます.
に元素置換を施し、酸化物としては優れた熱電性能を示すことが21世紀に入って報告されています.特に高温での特性が良く、熱電材料の性能を示す指標であるはで0.6に達します.これは酸化物としては最高級の数値です.
熱電特性を向上させるためには電気伝導度と熱起電力を上げ、熱伝導度を下げる必要があるのですが、の熱伝導度はさほど低くありません.高い電気伝導度と熱起電力によって優れた性能を実現させているようです. 酸素の一部を水素アニオン (ヒドリド)で置換することで熱伝導率を低減可能であるという報告もありました.
熱電効果と関連する現象として電気熱量効果があり、これは電場によって物質の吸熱・発熱を引き起こす効果です.薄膜のストレインを利用することで、の電気熱量効果を大幅に向上させることが可能なことが2024年に報告されました.[熱電材料]
イオン伝導体としてのチタン酸ストロンチウム
固体電解質(イオン伝導体):電子ではなくイオンが流れる材料 - はじめよう固体の科学
電子ではなくイオンがキャリアとして電気伝導を担うイオン伝導体は、電池や燃料電池、分離などで活用される材料です.はイオン伝導体としての側面も持っています.
例えば、との固溶体は高いリチウムイオン伝導度を示します.サイトを他の遷移金属で置換した材料は酸化物イオン伝導性と電子伝導性を両方示す混合伝導体として、燃料電池のアノード電極で用いられます.また、酸化物イオン伝導体として非常に有名なとの界面ではイオン伝導度が顕著に向上するという報告もありました.[イオン伝導体]
磁性材料としてのチタン酸ストロンチウム
強磁性、反強磁性、反磁性、常磁性…:磁性体とその特徴 - はじめよう固体の科学
の電荷バランスの通り、どのイオンも磁性は示さず、したがっては非磁性です.磁性材料としては使い物にならないと思いきや、電界効果によってキャリア濃度を制御することで強磁性を発現させることに成功しています.
また、2024年には、レーザーパルスを使って原子を回転させることで内に磁化を発生させたという報告がありました.これは、磁性体を物理的に回転させることで磁化が生じる効果(バーネット効果、あるいは逆アインシュタイン=ドハース効果)を原子レベルで実証したものです.[磁性体]
光触媒としてのチタン酸ストロンチウム
光触媒:太陽光を用いて化学反応を起こす夢のクリーン材料 - はじめよう固体の科学
太陽光は無尽蔵かつクリーンなエネルギー源ですが、人類はまだこの膨大なエネルギーを最大限に活用できているとは言えません.太陽光を用いて光合成のように化学反応を起こすことが可能な材料が光触媒であり、水を分解して水素を取り出す反応などに利用されています.はこうした化学反応の世界でも活躍しています.
光触媒効果によって水を水素と酸素に分解するには、バンド構造が水分解に適したものでなければなりません.すなわち、光を当てて電子が価電子バンドか伝導バンドに遷移した後、電子は水素イオンを還元して水素分子にできるようなエネルギー、電子バンドに残された電子の空孔(ホール) は水を酸化して酸素分子を生成できるようなエネルギーを持つ必要があります.
文章で書くとややこしいですが、要は価電子バンドと伝導バンドが水の酸化還元ポテンシャル位置をまたぐように存在していれば水は分解できます.はこの条件を満たしているので光触媒効果によって水分解が可能です.
しかしながら、のバンドギャップは大きく、紫外光しか吸収できず、太陽光の大部分を占める可視光を利用することができません.このため、水分解反応の効率は低いです.そこでサイトになど金属元素を一部置換するとバンド構造が変化し、光の吸収効率および反応効率が向上します.さらに合成方法を改善して結晶性の良い微粒子を作成し、適当な表面修飾を重ねることで、効率はさらに跳ね上がりました.
光触媒の反応効率の評価に用いられる指標として見かけの量子効率があり、これは反応系に注入した光子一つあたり分解した水分子の量を表します.この量子効率は、をそのままに近い状態で使うと0.1%程度ですが、合成プロセスや粒子の表面修飾を最適化するとなんと100%近くにまで達します.こ の報告は光触媒業界全体にとって劇的なブレークスルーであり、発表から3年ほどで被引用数は1000を超えました.
それとは別に、光触媒を太陽電池と同じような規模で利用するために、大規模な光触媒パネルの作成が進められています.2016年に受光面積の大規模な太陽光による水素製造システムが発表され、商業スケールでの光触媒による水分解が可能なことが実証されました.このパネルにももちろん が使用されています.[光触媒]
光学材料としてのチタン酸ストロンチウム
宝石用語にファイアというものがあります.これはキラキラと虹色に輝くことを意味しており、光の屈折率と分散度が大きい宝石、特にダイヤモンドで顕著に見られます.
の屈折率はダイヤモンドと同程度ですが、分散度が4倍もあるため、格別に大きなファイアを示します.の宝石があればさぞ 美しかったことでしょうが、残念ながら自然界では非常に稀かつ微小な結晶しか得られません.ダイヤモンドの模造品として合成されることもありましたが、 ジルコニアなどによって取って代わられました.
にバンドギャップ程度のエネルギーを持つ光を当てると電気伝導度が向上し、しかもこの効果は光を取り去ってからも数日間持続します.にビームを当てると、青色の発光を示します.また、最近の研究では、光電効果によって発生する二次光電子が、他の系では見られない特徴的なスペクトルを示すことが報告されました.[光学材料]
電子材料としてのチタン酸ストロンチウム
半導体とドーピング:電気を自由自在に制御できる材料 - はじめよう固体の科学
はそのままでは電気を流しませんが、種々の元素によって電子伝導を示すようになります.半導体材料として用いるには、電子の動きやすさを 示す移動度が十分に高い必要があります.薄膜材料として用いた場合、パルスレーザー堆積など従来法で合成したは、単結晶状態よりもはるかに低い移動度しか示しませんでした.
そんな中、分子線エピタキシーを用いた合成手法により単結晶を超える という高い移動度を実現しました.また、半導体材料として最重要な上に直接を形成可能というのも重要なブレークスルーです.[電子材料]
薄膜基板としてのチタン酸ストロンチウム
高品質な薄膜が作成可能なは、他の酸化物を成長させる基板としても盛んに利用されています.古くは酸化物高温超伝導体の基板として活躍しました.成長させた物質はバルクの物質とほぼ同じ物性を示す場合もあれば、基板の間の相互作用あるいはストレインによって未知の現象を起こす こともあります.
上に積層したは、粒子の境界 (ドメイン) における二次元強磁性相が現れました.は通常は反強磁性体ですが、上に積層すると強磁性へと姿を変えました.同じく積層させたグラフェンではヘリカル量子ホール相という未知の相、を成長させた系では常温でのスキルミオンが実現しました.上のの強誘電特性を紫外ラマン法で調べ、強誘電転移温度が層の厚みによって大きく変わることが明らかにされました.は鉄系超伝導体として知られていますが、上では転移温度が跳ね上がり、数十Kの水準に達するとの報告もなされています.
以上の例だけでも驚異的ですが、最も有名なのはを用いた系です.知っての通り、はそのままでは不導体で、もまた不導体です.しかし、どういうわけか 上にを積層させるとその界面で金属伝導が生じることが分かりました.
この発見は大きなインパクトを生み、原著論文は5000以上も引用されています.また、伝導性だけでなく超伝導、磁性、ラシュバ効果、強磁性と超伝導の共存など、想像もつかない様々な物性が見出されました.近年では、を ではなく上に成長させた薄膜でも超伝導が発見されています.[薄膜基板]
新奇な測定・合成手法の被験者としてのチタン酸ストロンチウム
XRD, XAS, XPS…:X線を利用した実験手法の一覧 - はじめよう固体の科学
きれいな単結晶や薄膜が合成でき、代表的な酸化物であるは、新しい実験手法が開発された際の最初の被験者になりがちです.この場合、自体に魅力的な物性があるというわけではないかもしれませんが、ここまでに挙げたような新しい現象への期待から を選ぶのかもしれません.
1994年、高分解能Z・コントラストイメージングと電子エネルギー損失分光法 (EELS) を用いて、の結晶粒界の原子構造を可視化する手法が報告されました.1996年にはX線ホログラフィを用いた原子構造の可視化がなされました.2003年には、改良した透過電子顕微鏡(TEM)による酸素原子の直接観察の報告が2報、別々のグループから報告されました.
最近では、走査透過型電子顕微鏡(STEM) と角度分解ピクセル化高速電子検出器を用いた原子レベル分解能での電荷密度のマッピング、基のピコ秒単位の光学スペクトルの観察、高強度の中赤外光パルスを用いた光誘起相転移のダイナミクスの観察などがについて行われてきました.さらに、酸化物犠牲層を用いた単層膜の剥離なども可能となっています.
このように何度も最先場の測定・合成手法の舞台となっているのもの特徴です.[測定・合成手法]
まとめ
様々な分野で見かける材料はよくあります.しかし、それは汎用性の高い一つの物性が色々な分野で使われている場合が多いです.しかし、 の場合 は、全く異なる物性が見つかり、それぞれの分野でハイインパクトな報告がなされています.基礎物性は地味なだけに、どうしてこれほど多くの特性を示すのかは気になるところです.そもそも機能の宝庫であるペロブスカイト構造であることは関係していると思いますが、それだけではないでしょう.
は理想的な立方晶ペロブスカイト構造を持っていますが、それは強誘電体相へと転移する不安定性を隠した姿です.思うに、このような不安定性を持って別の相へ進化する可能性を持つこと、そして様々な元素置換や合成法が可能でそうした相へのアクセス方法が豊富にあることによって、このような多彩な性質を示すのではないでしょうか.
また今年も来年もその先も、材料科学分野を彩ってくれるはずです.
参考文献
基礎物性
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