はじめよう固体の科学

電池、磁石、半導体など固体にまつわる話をします

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2025-01-01から1年間の記事一覧

バイヤー法 :きれいなアルミナの入手法

ホール・エルー法の普及には、純粋なアルミナを取り出す手法の確立が大きな役割を果たしており、その手法こそがバイヤー法です.

ホール・エルー法:高価なアルミニウムを安価な金属に変えた

ホール・エルー法は、電気の力でアルミナから純粋なアルミニウムを作り出します.100年以上前に編み出された手法でありながら、形を変えながら現在でもアルミニウムの精錬方法として使われ続けています.

学振特別研究員DCの給料はこの35年でどう変わったか

学振DCは、ありがたい支援制度ではあるものの、世間で賃上げの機運が高まっていたり、物価高が深刻な中で、月額20万円では心もとないこともまた事実.では、この月額20万円という額は妥当なのでしょうか.

炭素の同素体:炭素はつながるどこまでも

フラーレンの発見を皮切りに、カーボンナノチューブ、グラフェン、そして最近ではこれらの構造を組み合わせたような新たな同素体が報告されています.

単一金属触媒(Single-Atom Catalysts):たどりついた最小の触媒

固体触媒の表面積を大きくするほど活性は向上します.理想的には、原子が一つ一つ裸の状態でいてくれれば、あらゆる方向に表面が露出しており、全ての方向を触媒として用いることが可能になります.

電気エネルギー貯蔵のための誘電体セラミックス

キャパシタ(コンデンサ)は、化学エネルギーを介さず直接電気エネルギーを貯蔵可能なデバイスです.それゆえ瞬時に充電・放電が可能であり、大きな出力密度を示します.

マルチフェロイクス:磁気で電気を、電気で磁気を操る

マルチフェロイックを示す物質は、例えば磁場をかけることで電気分極を制御し、あるいは電場をかけることで磁化を制御することが可能です.

水素エネルギーの未来は?

無毒でありながらエネルギー密度の大きな水素への注目は大きいですが、果たして水素社会への変革はどこまで現実的なのでしょうか.

質量作用の法則?定比例の法則?:誤解を招く専門用語たち

一般名詞に基づいた用語にもかかわらず、直感的に意味が全く分からない用語が存在します.そうした用語は無駄に頭を悩ませるだけですし、初学者の学習の妨げになるしで、はっきり言って害悪でしかありません.

スレーター・ポーリング曲線とその向こう側:最も大きな飽和磁化を持つ物質を求めて

どのような系で飽和磁化が上がるか(あるいは下がるか)は元素一つ当たりの価電子数と関係があることが知られています.この関係をまとめたものがスレーター・ポーリング曲線です.

Prof. Mercouri G. Kanatzidisの経歴を振り返る

Prof. Mercouri G. Kanatzidis Mercouri Kanatzidisの名は材料科学の様々な文献で見つかります.特徴的な姓であることもあり、非常に目に付きます.Journal of the American Chemical Society (JACS) 誌でよく知らない固体物質がタイトルにあれば、かなりの…

酸化マンガン:二酸化マンガン以外もあるよ

マンガンと酸素のみから構成される物質が酸化マンガンです.二酸化マンガンが特に有名ですが、他にも様々な種類があり、マンガン元素の性質に由来するユニークな性質を示します.