はじめよう固体の科学

電池、磁石、半導体など固体にまつわる話をします

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イオン

アパタイト:生体から地球の中まで活躍する鉱物

アパタイトは、歯や骨の原料からイオン伝導体、触媒、イオン交換材料まで多様な用途を持ちます.これらの特性は、アパタイトを構成するイオンが他のイオンと入れ替わりやすいことに起因することが多いようです.

チタン酸カルシウム(CaTiO3):元祖ペロブスカイト、だけどちょっと不遇な物質

現在のところ、CaTiO3に関する研究がそれほど盛り上がっているようには見えません.とはいえ、兄弟分のBaTiO3とSrTiO3が異常すぎるだけで、CaTiO3にも興味深い特性はいくつもあります.

Bond valence sum の計算方法 【メモ】

酸化数の割当が、少なくとも過去に報告された類似の物質と比べておかしな値になっていないかを判断する手法の一つがBond valence sum (BVS)法です.

リチウムイオン伝導体:全固体電池を実現するための材料

ところが、近年の材料探索の進展にともなって、液体と同等あるいはそれ以上のイオン伝導度を示す固体物質が開発されてきました.中でもリチウムイオン電池に用いるリチウムイオン伝導体の進化は著しく、報告された物質の種類も多岐にわたります.しかし、全…

共有結合、イオン結合、金属結合…:物質を作る様々な化学結合

原子と原子がつながることは自明ではありません.原子同士に働く引力による原子間のつながりを説明するためにいくつかのメカニズムが提唱・実証されており、それらは化学結合と総称されます.

カチオンとアニオン:イオンってなんだろう

中性の原子において、電子が増減することで原子核と電子の電荷のバランスが崩れて帯電し、イオンとなります.陽イオンと陰イオンは互いに逆の電荷を持つため、クーロン力によって互いに引き付け合います.

固体電解質(イオン伝導体):電子ではなくイオンが流れる材料

固体であってもイオンが流れることのできる物質が存在します.それどころか、物質によっては溶液よりも高いイオン伝導度を示します.このような材料は固体電解質(イオン伝導体、イオン導電体)と呼ばれ、化学センサや燃料電池、最近では全固体電池の材料と…

貴ガスがイオンになる?:驚きの価数を示す物質たち

元素によってとりうる価数は異なり、大多数の化合物中では元素の価数は特定の値になります.しかし、特殊な状況を作り出せば元素の特性も大きく変わります.環境を整えれば、アルカリ金属だってアニオンになるし、貴ガスだってイオンを形成するのです.

ヒドリド(Hydride):水素の陰イオンとその高い反応性

水素は、最もありふれた元素でありながら非常に特殊な元素でもあり、正と負のいずれの電荷の状態をとることができます.陰イオン(アニオン)となった水素をヒドリド(Hydride)と呼び、強い還元力、強い塩基性、高い圧縮性を示します.

金の陰イオン:金属だって負の電荷をまとう

更新 2024-2-23 金(Gold)とその歴史 黄金は何千年もの間、人類を魅了してきました.古代オリエント,古代中国,古代アメリカなど,地域や文明は違えど,黄金は非常に価値のある物品として,ときに王族や貴族の権力の象徴として扱われてきました.金をめぐ…