格子
結晶の配列方法や結晶粒の特性は、材料の物理的および化学的特性に大きな影響を与えます.結晶の形態の中でも「単結晶」と「多結晶」は、それぞれ異なる特性と応用分野を持っています.
結晶構造はいたずらに複雑にはなりません.一見して複雑な構造であっても、部分部分をよく見れば、必ずシンプルな結晶構造から組み立てることができるようになっています
「準結晶」.一見では結晶のように見えるのだけれど、結晶であるはずのない奇妙な物質です.準結晶をめぐって高名な科学者が争い、結晶学会は固体の定義の見直しを迫られ、発見者はノーベル賞を受賞しました.
同じ組成を持ちながら異なる結晶構造を示す物質を総称して多形と呼びます.ほとんどの多形は互いによく似た見た目ですが、中には似ても似つかないものも存在します.
結晶系に単位格子を加味して結晶構造を規定したのがブラべー格子であり、全ての結晶構造の基本となります.ここで結晶構造を規定するために用いた、繰り返し構造の軸長と軸角をまとめて格子定数を呼びます.
ミラー指数は、単位胞の中における「方向」や「面」を記述する方法です.ミラー指数を定義しておくことにより、単位胞の「どこ」の話をしているかが一目で分かるようになります.
空間格子は、対称性の観点から7つの結晶系に区分されます.さらに、格子内に複数の格子点を持つ、より大きな格子を採用することで、全ての空間格子は14種類のブラべー格子に区分することができます.
固溶体のXRDを測定したとき、各組成のXRDパターンのピーク位置が連続的にずれていくことが知られています.このXRDパターンから格子定数を求め、「ベガード則」によって組成を(簡易的に)見積もることができます.