酸化還元
食塩水の電気分解からは、主に塩素ガス(Cl2)と水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液(苛性ソーダ)が得られます.化学工業で必須で汎用的な試薬であり、医薬品、洗剤、殺菌剤、除草剤などに使用されます.
水に諸々の工夫をして電圧をかけると、水素と酸素が発生します.発生する物質が水素と酸素だけなので環境への害がありません.クリーンかつ温和な条件で水素を合成できる方法として注目されています.
燃料電池は、分子の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換できるエネルギー変換装置です.燃料電池は、クリーンかつ高効率な発電を可能にし、家庭用・車載用への応用を目されるなど次世代のエネルギーとして注目されています.
正極と負極、アノードとカソードは電池と電気分解どちらにも登場する用語ですが、何を指すかを理解していますか?
電気分解は「電気のエネルギーによって強制的に酸化還元反応を起こすこと」を意味します.電気分解は、水の電気分解による水素発生反応を筆頭に、塩素の単離、NaOHの製造、金属メッキ、金属の精錬など、産業の幅広い分野に顔を出します.
エリンガム図は、ある温度と雰囲気を与えたときにどのような化合物が安定に存在するかの手がかりを与えます.多くの情報を引き出せるエリンガム図ですが、見た目があまりに複雑なことが初学者を遠ざける原因となっています.
フロスト図は、ある酸化数が他の酸化数に比べてどの程度安定であるかを視覚的に分かりやすく示した図です.標準電極電位そのものをプロットしているわけではないものの、安定性の議論をするのに向いています.
酸化されやすい金属もあれば酸化されにくい金属もあります.酸化されやすい金属の中でも、安定な酸化数は金属によって異なります.ラチマー図は、複数の酸化状態を持つ化学種の標準電極電位を表現する方法です.
鉄は錆びやすいのに、金は全く錆びません.「錆びる」とは酸化反応の一種で、「錆びやすい」は「酸化されやすい」と言い換えることができます.このような「酸化のされやすさ」を定量化する方法はないでしょうか.