仕事関数は「バルク材料(固体または液体)」の電子を一つ取り除くのに必要なエネルギー量」を意味します.仕事関数の大小によって物質の反応性や安定性を評価することが可能になります.
イオン化エネルギーと電子親和力はは決して教科書の中だけの存在ではなく、物質の性質を予想するなど実用的な面を持った極めて基礎的なパラメータです.
負極は二次電池にとって重要な要素であり、電池全体の性能に大きな影響を与えます.新しい負極材料の開発では、これらの容量低下要因を抑制し、安全性・安定性・サイクル特性に優れた材料を選定する必要があります.
リチウムイオン電池はのエネルギー密度に影響を与えているのが正極材料です.現在、正極材料として使用されている材料は主として金属酸化物であり、大きく3種類のグループに分けられます.
リチウムイオン電池は高いエネルギー密度、高い電圧、長寿命、高安定性を併せ持ち、従来の二次電池とは一線を画します.リチウムイオン電池はある一つの大発明から生まれたわけではなく、多くの人が関わり築き上げたものを合体させることで可能になった、人…
金属の配位構造において、金属イオンがある特定の数のd電子を持つ場合にのみ特異的に多面体が歪む場合があります.このような現象の一つがヤーン・テラー効果(Jahn–Teller effect)です.
d電子は金属イオンの種類によって数が異なり、全部で5つの軌道に収納されます.配位子のない状態では5つの軌道は互いにエネルギーが等しい(縮退している)ですが、それぞれ軌道の広がる方向が異なるため、配位子があるとエネルギーにズレが生じて状態が…
世の中にはオープンアクセス論文というものがあります.オープンアクセス論文はいつでも誰でも無料で読むことができます.今回は、固体科学分野のうち、特に質の高いオープンアクセス論文誌を紹介します.
閃亜鉛鉱型構造とウルツ鉱型構造は、ABの組成で表される二元系物質の多くで見られる結晶構造であり、互いによく似た構造です.どちらも半導体材料でよく見られる構造であり、知らず知らずのうちにどちらかの構造を持つ材料を日常的に使用しているはずです.
現代文明で、最も太陽エネルギーを生かした装置といえば太陽電池です.有害な排出物なしに、置いておくだけで発電が可能な太陽電池は持続可能なエネルギー供給源としての注目がますます高まっています.現代に至るまで太陽電池の性能は改善され続け、変換効…
絶縁体では電子は全て原子核の周りに束縛されており自由には動けません.しかし、ある程度は動く余地があり、ごく小さな電荷のズレが生じます.これらの変位の一つ一つのズレは小さいですが、マクロなスケールでは大きな効果として現れます.
ニッケル・カドミウム電池(ニッカド電池)は鉛蓄電池に続く二次電池であり、最近まで家庭用二次電池の代表の座にいました.ニッケル水素電池やリチウムイオン電池の普及とともに姿を見かける機会は減りましたが、いまなお然るべき分野では現役の電池です.