はじめよう固体の科学

電池、磁石、半導体など固体にまつわる話をします

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ネオジム磁石:現代文明を支える最強の磁石

現在の磁石の頂点に座しているのがネオジム磁石です.ネオジム磁石の性能他の磁石の追随を許しません.ネオジム焼結磁石の生産量は年10万トンを超え、しかも年々生産量が増大しています.現在の磁石の市場は、安く低性能なフェライト磁石と高価で高性能なネ…

チタン酸バリウム(BaTiO3):驚異のチタバリと呼ばれた誘電体

チタン酸バリウムは代表的な誘電材料(電気を蓄える材料)であり、その優れた誘電性、強誘電性、圧電性により、セラミックコンデンサやサーミスタ、圧電素子など様々な用途に使用されています.

HSAB則:化学における硬さと軟らかさ

化学に登場する酸と塩基、特にルイス酸・ルイス塩基には硬さの概念があります.酸と塩基の親和性の傾向を明らかにし、固体の結晶構造を形作るのに大きな役割を担います.

異常ホール効果、量子ホール効果、スピンホール効果…:とりあえずホール効果って名前つけとけばいいかの精神

世の中にはホール効果によく似た現象が数多くあります.すなわち、運動する荷電粒子が何らかの原因によって運動方向に対し曲がり、電場が蓄積する現象です.これらの現象はホール効果と関連付けられ、〇〇ホール効果と呼ばれる場合が多いです.

ホール効果:電流と磁場とキャリアの関係

導体に電場をかけると電流が流れます.ここに磁場をかけるとキャリアの経路が曲がり、電荷が導体の一方の面に集まります.この際、導体の一方の面にはキャリアと同じ電荷が集まり、もう一方の面ではキャリアが不足してキャリアと反対の電荷が現れます.

酸水素化物:水素アニオンを取り込んだ新しいセラミックス

一つの物質中に酸素アニオンと水素アニオンの両方のアニオンを含む物質が数多く知られ、酸水素化物と呼ばれます.安定な酸化物と不安定な水素化物を組み合わせた物質はどのような性質を示すのでしょうか.

ヒドリド(Hydride):水素の陰イオンとその高い反応性

水素は、最もありふれた元素でありながら非常に特殊な元素でもあり、正と負のいずれの電荷の状態をとることができます.陰イオン(アニオン)となった水素をヒドリド(Hydride)と呼び、強い還元力、強い塩基性、高い圧縮性を示します.

グラフェン:世界一薄い究極の二次元材料

グラフェンは、炭素原子がハニカム状の二次元層を組んだ、原子一層分の厚みしか無い究極の二次元材料です.革新的な材料であるにも関わらず、黒鉛(グラファイト)をセロテープで剥がすという冗談のような方法で製造されました.

孤立電子対(非共有電子対):直接結合しなくても、物質を変える

孤立電子対(非共有電子対)は、目には見えませんが分子の形状や水素結合の形成を通じてその存在をアピールしてきます.孤立電子対の役割は構造を歪ませるだけではなく、様々な物性に顔を出します.

スピネル構造:複雑な構造と多様な物性

スピネルとは、マグネシウム(Mg)とアルミニウム(Al)からなる酸化物の天然鉱物であり、MgAl2O4の組成で表されます.スピネルの結晶構造をスピネル構造とよび、AB2O4の組成を持つ三元系物質でよく見られます.酸化物だけではなく、硫化物や窒化物でもスピ…

ハイエントロピー合金:全く新しい合金材料

これまでの合金はメインとなる元素を決めていましたが、ハイエントロピー合金では主役を定めず、複数の元素を比較的高濃度(多くは等濃度)で混合します.ハイエントロピー合金は、従来の合金よりも強度に優れるとされるほか、従来の合金では見られない様々…

固体における仕事関数、イオン化エネルギーと電子親和力の関係

半導体はバンドギャップで区分されますが、伝導バンド・価電子バンドの相対位置も同じくらい重要です.電池の電極材料や太陽電池などでもバンド位置は常に意識されます.